画像引用:MIFDESIGN ANTENNA

バリアフリー普及のためのユニークな啓発キャンペーン

パリでは、公共交通機関のバリアフリー化を高めるための講義が行われるくらい、他の国に比べバリアフリー化が遅れている。
東京で車椅子利用可能な駅は、88%(186/211駅)に対し、パリではわずか3%(9/303駅)と普及率がとても低い。
また、パリでは法律でバリアフリー化にすることを定められているにも関わらず導入がなされていないという背景もあった。

そんな状況下、世界モビリティデーに合わせて障碍者支援NGOが、バリアフリー普及のためにユニークな啓発キャンペーンを行なった。

画像引用:AdGang

地下鉄の入り口や地下にある従来の路線図の上に、車椅子利用者がアクセスできる9駅のみしか記載されていない“新しい路線図”を貼り直した。

画像引用:AdGang

その結果、このキャンペーンは大きな話題となり、インプレッション5億9000万、パブリシティは数百件となった。

このように、自分には関係のない問題だと思っている人に対して、車椅子利用者の世界を体験してもらうことによって、いつも常識だと思っていたことはそうではないと、自分ごと化して考えてもらうことでバリアフリー化の必要性を訴えかけた。
これにより、体験した人の声がたくさんシェアされ、フランスの大統領まで動かすこととなった、大きな影響を与えた啓発キャンペーン。

編集者的見解まとめ
課   題:バリアフリー化が全く普及していないことを国民が認識していない
ターゲット:健常者
戦   略:健常者に車椅子利用者の見ている世界を疑似体験させる
戦   術:よく目にし、利用する駅の地図という見慣れているものを隠し違う     地図を貼り直すことによって違和感を与える

あなたのゴミを必要としている人がいることを伝えるCM

環境の中でも特に深刻で身近に存在する問題の1つに、”ゴミ問題”がある。
また、最近の企業は利益の追求だけではなく社会的責任について問われることが多くなっている。

カナダのIKEAはそんな”ゴミ問題”を、より身近に感じてもらうために「あなたにとって”ゴミ”である、いらなくなった家具を必要としている人がいる。そんな人たちに届けよう。」と伝えるCMを制作。

CMは、いらなくなった家具や家電で作られた「Stuff Monster」というインパクトのあるキャラクターを登場させ、視聴者に「これは何だろう?」と興味を持たせる内容となっている。
視聴者が感情移入しやすい少し憂いのあるモンスターが、必要としている人たちに1つ1つ家具を届けていく。そうして最後には、顔だけになったモンスターである”ゴミ”を持った女の人が、必要な人に無料で譲る描写が。
「Stuff Monster」は、必要な人たちの家で使用され続けるということを、心温まる物語で訴求した。

このCMを通してIKEAは、IKEAの家具は”ゴミ”になることなく、世界中の人たちに愛されてほしいという願いを込めている気がする。

編集者的見解まとめ
課   題:IKEAの家具をゴミとして捨てられたくない
ターゲット:IKEA家具使用者
戦   略:1人1人が不要なものを捨てる時に考えるきっかけを作る
戦   術:「誰かにとってのゴミは、誰かにとっての必要なものである」と、
       不要な家具を擬人化した感情移入のしやすいモンスターを使った
       動画で効果的に伝える