画像引用:PRTIMES

前回は長尺動画広告の「1~2分」の世界についてご紹介しましたが、今回はその逆、短尺動画広告の「6秒」の世界を事例とともに紹介したいと思います。

「飛ばせない」がミソ、バンパー広告

6秒動画の歴史からまず考えると、女子中高生を中心に大ヒットしたVineが、6秒動画のパイオニアと言えます。(いまはサービス自体がありませんが…)
そのVineの大ヒットを受け2016年5月より、GoogleがYouTubeに”Bumper”と呼ばれる動画CMサービスを始めさせたことで再び6秒動画に注目が集まります。

6秒をスキップできないバンパー広告は、視聴完了率も高く、ポイントをシンプルに強調できるため“広告の俳句”と呼ばれています。
そんなバンパー広告は2016年の登場以来多くの企業が活用しており、ビデオリサーチインタラクティブがまとめた2017年の動画広告素材の秒数分布のグラフでも「6秒以下」の動画の割合は増加していることがわかります。

引用:ビデオリサーチ

「6秒」バンパー広告の事例

実際の企業が展開している事例とともに紹介します。

アルバイト求人サイト「マッハバイト」

「マッハ」という特徴を印象付けるため、マッハをコミカルに表現したクリエイティブを15種類制作しています。バンパー広告としては珍しく、Twitterやまとめサイトでも反響を呼びました。「ワンメッセージ×複数パターン」として繰り返し見たくなる仕組みづくりに成功した例です。

光回線インターネット「NURO 光」

ソニーネットワークコミュニケーションズが提供する「NURO」という光回線のブランド名を印象づけることのみに焦点を絞ったクリエイティブを、全13パターン制作しています。親父ギャグや脈略がないシチュエーションでコミカルにインパクを強調しています。
ちょっと古いデータですが、2017年の「Think with Google」の記事によると…

3ヶ月にわたりYouTubeで動画広告を配信した結果、インプレッション総数は 1932 万、 578 万 ユニークユーザー ( UU ) を獲得、UU の モバイル比率は 64% でした。モバイル と PC の重複リーチはわずか 10.3% に抑えられ、効率よくリーチを獲得することに成功したそうです。また、広告想起率、ブランド認知、サーチリフトのすべてで、下記のように高い結果を出すことができました。

Think with Google
画像引用:Think with Google

このように、スマートフォンでコンテンツを視聴する生活者に対し、短時間で幅広い関心を捉えることができます。

ファンケル「カロリミット」

「完食ちりつも」「エンドレスちりつも」など”〇〇ちりつも”というメッセージを共感できるワンシチュエーションでみせています。どれも身近な生活のワンシーンで構成され、見ていると「わたしもたしかに、ちりつもってる…」と危機感を視聴者に感じさせることで共感を生んでます。こちらも複数パターンを作成することで、世界観を広げていて、幅広い世代に自分ごと化させることに成功しています。

大塚製薬「オロナイン」

かわいいモーショングラフィックスと音楽で大塚製薬の顔ともいえるオロナインの、小さなチューブ版を宣伝するための動画広告です。2秒毎に軽快な音ともにテンポ良く3種類のチューブを紹介する構成で、ゆっくりとしたテンポが心地良い動画となっています。女性をターゲットとして可愛らしいグラフィックとSEで構成されているので、視聴完了率も高く、シンプルなモーショングラフィックスのみなので、実写よりは予算を抑えられそうです。

「Adidas」

Adidasならではというか、Adidasだからこそできる、固定されたスニーカーのビジュアルとバスケットボールのバウンド音だけでのシンプルな広告です。
ブランド認知度が高い場合、シンプルに想起させられるアイテムと商品を組み合わせるだけでかっこいいブランドインパクトを訴求できます。

スピリッツカンパニー「バカルディ」

6秒のなかにシズル感をギュッと濃縮してる分、インパクトが強く購買意欲が掻き立てられ、つい見てしまいます。6秒にシズル感満載の動画をわざわざ撮影するのはカロリー高そうですが、たとえば、レシピごとにパートを分けて複数パターン制作してもおもしろいかもしれません。食品系ならではの訴求ができそうです。

広がる6秒動画広告

サイバーエージェントによると、2020年のスマホ向けの動画広告の市場規模は2は昨年比の128%増え、2613億円となる予想です。WebCM特有の長尺動画広告や、6秒というテレビCMでは考えられない短尺広告は、スマホ視聴に慣れたユーザーの心をつかむかもしれません。

画像引用:サイバーエージェント

そんな中サイバーエージェントが今年の6月に設立した連結子会社、その名も「6秒企画」。バンパー広告を中心に、6秒動画広告の制作と配信サービスを展開しています。

画像引用:サイバーエージェント

当社では短尺のオンライン動画広告の企画・制作に特化した新会社として、株式会社6秒企画を設立し、ディレクション・撮影・デザイン・編集まで一貫して対応可能な体制を構築することで、最も高い広告効果を生み出す動画制作を目指します。
短尺のオンライン動画広告のクリエイティブは、15秒や30秒尺のテレビCMのフォーマットとは異なり、簡潔かつ印象的なメッセージおよびインパクトのある表現を6秒の中でいかに伝えることができるかが重要となります。しかし、現在は15秒や30秒尺で制作された動画を切り取って短尺動画が制作されるケースが多く、新会社では、 広告効果の最大化を図る“6秒動画広告の表現”を追求し、企業のマーケティング活動における課題解決と効果向上に尽力してまいります。

サイバーエージェント

まとめ

「6秒」動画広告のメリットは…
・スキップすることができないため視聴完了率が高い
・ワンメッセージをシンプルにインパクトを最大化させ訴求できる
・「TrueView」広告に対して、バンパー広告は低下価格で配信できるので幅広い層に複数回接触することが可能

テレビCMを何度も聞いているうちに、決まったフレーズやCM音楽が自然と刷り込まれ、気づいたら記憶に残っている経験はみなさんあると思いますが、バンパー広告でも同じ効果が見込めます。

企画するにあたり大事なポイントは、マッハバイト、NUROやカロリミットのように伝える内容は詰め込まず「ワンメッセージ」にこだわるということ。さまざまな角度からターゲットに接触するために、複数のパターンを制作することです。
「6秒」という制約は、ハードルが高いように見えてまだまだ表現の可能性があります。Web動画広告ならではの「6秒」の世界を制することが、今後の重要なポイントとなるでしょう。