画像引用:animate Times

最近キテいる、長尺動画広告

CMといえば15~30秒、長くても1分くらい…というイメージですが、最近増えてきているのが2分〜5分の長尺動画広告。
短尺で絵のインパクトやキャッチーなメロディで認知や製品訴求を狙ったものより、長尺のストーリー性のあるドラマ仕立てのものが最近グンと増えてきています。
今回はそんな増加している長尺動画広告の事例をもとに、なぜ長尺動画広告がみられ、視聴者にどう受け入れられているかを考えたいと思います。

2018年からトレンド化しつつある

Googleが調査分析データを提供しているサイト「Think With Google」が発表している、「YouTubeで公開された動画広告のなかで最も再生回数が多かったCMランキング”Japan YouTube Ads Leaderboard”」では、2017年と比べて2018年から長尺動画広告が上位にランクインしていることからも、長尺動画広告がトレンド化しつつあることがわかります。

画像引用:Think With Google

2018年上半期第3位となっている話題となった東亞合成による瞬間接着剤「アロンアルファ」のCMでは、尺は「1分59秒」と長尺なのに対して再生回数は1000万回以上と驚異的。

まず、冒頭でコピー「俺と…接着(キス)しよっか」とで視聴者は一度スキップする手を止めます。そのまま見進めていくと、女子ウケする少女漫画のテイストを通して、アロンアルファの製品訴求をコミカルに表現し、女子がついキュンとしてしまうシチュエーションを上手く融合し、つい見てしまうようにテンポ良く構成されています。

どんどん伸びていく再生時間

2018年上期からきている長尺動画広告は、ついに2018年下期では再生回数第1位にランクイン。

画像引用:Think With Google

2018年下半期1位 ポッキー「何本分話そうかな」

ポッキー「何本分話そうかな」では動画の冒頭で「出演:宮沢りえ 音楽:B’z」とネームバリューをテロップで表示し、スキップされないようにしています。そして映画のような質感とストーリー展開で、つい見進めてしまうという流れ。動画広告では異例の「7分」という長さにも関わらず、再生回数は330万回となっています。

2019年上半期6位 カー用品ジェームス「I’m My Car」

https://www.youtube.com/watch?time_continue=1&v=p2-LZ4gWyzA&feature=emb_logo

連続10秒ドラマ「愛の停止線」10秒ドラマなどの、コミカルなCMで人気のカー用品ジェームスの長尺動画広告「I’m My Car」。疾走する車の映像からはじまり、製品名もブランド名も作品タイトルも最後までぜんぜん出てきません。

2019年話題となった サントリー クラフトボス ブラウン「担当者のメモリプレイ」篇

こちらも話題となった長尺広告。冒頭にだけ表示される製品ロゴは、7秒たつと消えるので、なんの広告か意識する前にストーリは進んでいきます。
3分経ってようやく商品が登場し、ここでようやくクラフトボスのCMだったことがわかるという仕掛け。結婚式の感動的な演出である「メモリプレイ」を通して展開することで、製品の訴求よりも「2代目クラフトボス」の登場を印象付けています。

WEB動画「担当者のメモリプレイ」篇では、初代から大きな進化を遂げた「クラフトボス ブラウン」=“2代目ブラウン”の登場を印象的に伝えるため、「初めからこの味にすればよかった・・・!」という告白をこの動画のストーリーを通じて発信します。WEB動画では、初代「クラフトボス ブラウン」から企画・開発を手掛ける当社社員役の新郎と、その花嫁(飯田里穂さん)の結婚披露宴を舞台に、感動的かつコミカルなストーリーを描いています。

引用元:サントリー

ツイッターでも話題に

ドラマ仕立ての長尺動画広告はツイッター上でも共感を得やすく、一度つぶやくとそのストーリー性から共感を呼び、またたくまに拡散されやすいものとなります。

TEPCO速報 「変わらないこと篇」

こちらはTEPCOの長尺ドラマCM。3分33秒で200万回再生を記録。

そしてもっと驚きなのが、ツイッター上爆発的に拡散したこと。決して著名人ではない人の呟きにも関わらずツイッター上で拡散され、”4.6万件のリツイート・20万いいね”されています。
ツイッター上では1つの呟きに対して、視聴者の様々なエピソードも拡散されるきっかけを作るので、共感がどんどん広がります。

アクエリアス 『見えない「がんばれ」』篇 

https://www.youtube.com/watch?v=gLw1ji5_CXI&t=48s

こちらもツイッターに投稿した途端、一気に拡散した事例であるアクエリアスのCM 『見えない「がんばれ」』篇 。

だれもが共有できる家族のシーンや部活のシーンにさりげなくアクエリアスが登場します。3つそれぞれの家族のストーリーがあることで、幅広い人に訴求できます。そしてなによりコンテンツとしてのクオリティが高いので、すぐに購入を促す「売り・売り」な広告ではないことも拡散される要因ではないでしょうか。
この1つの呟きからオーガニックでどんどん拡散され、現時点で”4.4万件のリツイート・18万いいね”されています。

まとめ

このように長尺動画広告は、冒頭のインパクトと深いストーリー展開でスキップさせないようにしていたり、はじめはなんの広告かわからないまま展開し、最後のオチとして製品や企業名がわかる嫌味っぽくない製品訴求と、納得感がある結末がある、というのがミソになってきます。広告広告していないので、商品名や企業名をいくら見せても好意的に捉えることができます。
さらにウェブ広告はテレビとは違いターゲティングできるため、ピンポイントのターゲットに絞り込むことができます。また、視聴者自身youtubeなど見るタイミングは帰宅後などの時間があるときに見る傾向があるため、長尺のドラマ広告でも受け入れてもらいやすい、というのも要因になります。
今後はより映像の質とストーリー性を求められるため、動画広告の時間はさらに長くなっていくかもしれません。